アイリーン・グレイのE1027とは?

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最小限住宅の歴史

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■アイリーン・グレイのE1027(海辺の家)~最小限住宅のルーツ 

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■最小限住宅の歴史

日本の最小限住宅と言えば増沢洵の自邸(1951年)、世界的には本サイトでも取り上げているル・コルビュジェの休暇小屋(1952年)が有名です。

しかし、これらに先立つこと約30年前に建てられたアイリーン・グレイのE1027(1929年)に既にその思想が込められています。

  

増沢邸やコルビュジュの休暇小屋は本当に狭い敷地の上に建てられた最小限の住宅ですが、一方のE1027の方は日本的な大きさから言えば豪邸です。物理的最小ということでなく、空間を最大限に生かすという手法において最小限住宅の思想のルーツが垣間見えてくるのです。

 

■2人の天才の間に何が起きたのか?

 

E1027と言えば、この住宅用に制作された家具のサイドテーブルの方が有名ですが、元々は「海辺の家」と呼ばれるこの別荘につけられた名前。正確にはアイリーン・グレイとジャン・バドヴィッチの共作で、E1027という名前にも2人のイニシャルが隠されているそうです。

 

さて、この家は建築界の巨匠であったル・コルビュジュがアイリーン・グレイの才能に嫉妬したと言われるほどの名作なのですが、実はコルビュジェとの間で壁画のエピソードがもとで、トラブルに発展します。2人はそれまで一緒に仕事をしたこともある親しい関係にあったのですが、この事件がきっかけで生涯、確執を抱える関係になってしまいました。

そのためかグレイの建築作品は長らく歴史から抹殺され、近年になってグレイの建築への評価がようやく見直されたという曰く因縁つきの住宅です。

 

■空間に与えられた可変性

 

アイリーン・グレイは「自然な動作や本能的反応に最適な形」や「住み手が自分を自覚する喜びを取り戻す」ことが重要と主張し、E1027を「最小限の場所」に「最大限の快適生活」をもたらすように設計しました。

 

グレイは狭さによって機能と形が限定される問題を克服するために、空間に可変性を与える手法を考案し、この考え方はE1027の邸宅用に創作された家具にも応用されました。

 

■サイドテーブル E1027 とコルビュジェのチェア LC1

 

この住宅用に制作されたサイドテーブルE1027はベッドで朝食を取るためのデザインとして高さが調整できる機能を持っており、今でもモダンなデザインと、この機能美が相まって普遍的な人気名作家具となっています。 

 

一方のコルビュジェも「最小限の空間に最大限の快適性」を目指したチェアとしてスリングチェア「LC1」を残しています。 

生涯埋めきれない確執を抱えることになった天才2人の、同じテーマによるチェアとテーブルはそんな経緯にはおかまいなく、ベストマッチな名作家具として頻繁にペアで使われたりしています。

2人が生きていたらお互いに何と言ったのでしょうか。